
腹黒ドS王子の愛する人Another
第3章 朔弥 × 元 の場合
入社して早数ヶ月。最初の研修を終え、部署に割り振られそれぞれの仕事が始まった頃。
俺は順調に新しい生活をスタートさせていた。
「どう?かわいい子見つけたか?」
「あー、1人いた。クッソエロい体した女の先輩が。」
「八草先輩?あの人やめといた方がいいって噂だぞ?」
「まじかよ!狙ってたのに!」
ザワザワとした食堂で、白昼堂々繰り広げられる馬鹿話。その軍団は、周りから少し浮くように目立っている。
「元のとこは?」
「俺のとこ?そんなの見てねーよ。」
「はぁ!?お前その顔無駄遣いすんなよ!」
よく分からないことで切れだす同僚に思わず笑いが溢れた。
