
腹黒ドS王子の愛する人Another
第3章 朔弥 × 元 の場合
「元!」
自分の名前が呼ばれるのを聞き、キーボードを叩くのをやめて振り返ると、そこには仲がいい奴らの姿。
「飯、食いにいこーぜ!」
「あぁ。」
適当なところで仕事を中断し、財布とスマホだけ持って仲間の輪に加わる。
「どうよ最近。」
「あー、まぁちょい慣れたって感じ。」
「俺なんてまだ緊張するぜー。」
「バーカ。」
そんな軽口を叩きながら食堂へと足を進める。
部屋を出る時、ふと目に入った後ろ姿。
榊 朔弥先輩と出会ったのは、俺がこの会社に入って少しした頃だった。
