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「あの子、本気でお前のこと好きだったんじゃないの？」




その言葉に思わず足を止める。




「........だから？」



そう聞きながら振り向けばそこには今までのような俺を蔑んで見下したような冷たい目じゃなくて、熱のこもった何か言いたげな瞳をした奴が立っていた。





「なんであんなひどいことすんだよ！自分に好意を持ってくれてる人にくらい、優しくしたっていいだろ！」



いつもみたいな冷静な北浜じゃない、俺の知らない感情を高ぶらせて本能のままに俺に牙を向いた素顔。



俺はその言葉を聞いて自嘲的な笑みを浮かべてから北浜を思いっきり壁に押し付けた。






ガンッーーーーーー.......





「何なのお前。人の恋愛に口出ししてんじゃねーよ。」




俺より少し低い北浜は俺を見上げる形で今だに熱のこもった瞳で俺を睨みつける。


その目に戸惑いも恐怖も何も無い。



「好意を持ってくれてる人に優しく？それで何になるの。俺は好きじゃないのに。そんな純情な恋愛夢見てさ、何あんた、お付き合いとかしたことねーの？」