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腹黒ドS王子の愛する人Another

第3章 朔弥 × 元 の場合

ご飯を諦めて帰ろうか、それとも勇気を出して踏み込むか。



入り口でうろうろしていた俺はさぞ滑稽に見えたであろう。一瞬諦めようと心に誓った時、背中によく聞いた声がかかった。



「あれ、榊先輩!!」



この声は....



「寺石!」



ニコニコと人好きのする笑顔を浮かべながら、手を振って近づいてくるのは間違いなく寺石であった。



「珍しいですね、先輩が食堂にいるなんて!」


「あぁ、弁当忘れちゃって。」


「意外とドジですか?」



クスクスとからかってくることに気恥ずかしさを覚えて、つい目をそらしてしまう。



「よかったら一緒に食べません?」


「え、でも...」



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