
腹黒ドS王子の愛する人Another
第1章 慧×桃史の場合
案の定、小百合という女は俺にされたことを訴えたらしいが、誰にも信じてもらえずむしろ俺を付け回したストーカーとして浮いてしまったらしい。
こういう時、本当に上司からも信用があるこの猫かぶりに感謝する。
幸い仕事もできると言われているらしいし、実際結果も出していると思う。
だからか、たくさんの同僚が俺を囲んで大丈夫かと心配する。
俺はそれに機械的に大丈夫と答えた。
思い思いに俺に同情を向けた周りの奴らは満足そうに自分の席へと戻って行く。
誰もいなくなった俺の周りに一つの影が落ちた。
顔をあげれば資料をいくつか持った端正な顔をした男が一人。
その顔は男ながらに美人という言葉が似合う綺麗なものだ。
こいつは確か、女性社員が騒いでた北浜桃史だっけ?
「北浜くん....だよね?どうしたの?」
笑顔を貼り付けて極力フレンドリーに話しかけたのに目の前の男はその質問に応えることなく持っていた資料を俺の机に置いた。
「あぁ、持ってきてくれたんだ。ありがとね。」
「あんた、最低だな。」
耳を疑うような言葉が聞こえる。
は?こいつ今なに言った?
「最低。」
固まる俺に北浜桃史はもう一度蔑むように吐き捨てるとそのまま背を向けて自分のデスクへ戻った。
こういう時、本当に上司からも信用があるこの猫かぶりに感謝する。
幸い仕事もできると言われているらしいし、実際結果も出していると思う。
だからか、たくさんの同僚が俺を囲んで大丈夫かと心配する。
俺はそれに機械的に大丈夫と答えた。
思い思いに俺に同情を向けた周りの奴らは満足そうに自分の席へと戻って行く。
誰もいなくなった俺の周りに一つの影が落ちた。
顔をあげれば資料をいくつか持った端正な顔をした男が一人。
その顔は男ながらに美人という言葉が似合う綺麗なものだ。
こいつは確か、女性社員が騒いでた北浜桃史だっけ?
「北浜くん....だよね?どうしたの?」
笑顔を貼り付けて極力フレンドリーに話しかけたのに目の前の男はその質問に応えることなく持っていた資料を俺の机に置いた。
「あぁ、持ってきてくれたんだ。ありがとね。」
「あんた、最低だな。」
耳を疑うような言葉が聞こえる。
は?こいつ今なに言った?
「最低。」
固まる俺に北浜桃史はもう一度蔑むように吐き捨てるとそのまま背を向けて自分のデスクへ戻った。
