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虹色の精霊に導かれて…

第56章 嵐 二日目 コンサート 終盤

M⦅モモ 踏ん張れよ⦆
 インカムに声が拾われないように注意しながら支持を出す。
M『 生きてゆく証たち そこにあるから 』


 中央ステージの立ち位置までやって来る。

A『 忘れることない 』

O『 あたたかい手の温もりを 』

N『 守ってゆくだけ 感じられるよ もっと 』

N≪雨の精霊よ 我らと共に!!≫
 足元の水たまりを一蹴りして、飛沫を上げる雨の精霊を呼ぶ二宮。

M(おいおい ニノ これ以上 雨の力振らしてどうするんだよ)
M『 分からないから 向き合うだけ 』


A『 そして踏み出す カウントダウン 』

N『 嘘じゃないから 届くはずさ 生きていく痛みさえ 』

M『 となりで笑っていたいよ 』


 中央ステージ迫り立つためモーターが動き出す。


 二宮が呼びかけた〈雨の精霊〉が、メンバーの周りを舞い始める。


陣を張っている眷属たちが見上げている。

M(なるほど…)
 ダンスですれ違う時、二宮の目を見る松本。


 二宮も松本を見る。


ふふ っと同じように笑って、ダンスと歌に戻る。



N『  自問自答 繰り返した 光と影のループ 』
M『  繰り返した 光と影のループ 』

 体を寄せて 二宮の目を見る松本。
 二宮も松本を見る。

 ふふ っと同じように笑って、ダンスと歌に戻る。


S『 止められない時間の渦 』
A『 止められない時間の渦 全て飲み込んでいく 』


O『 終わらなぁぁいぃぃ 』



 雨 それは、天候であり、人が意図して創り出すことは、まだできない。

二宮が張った陣は、このコンサートの地の上にいる“人”を天候でのダメージを軽減させる為に張った文字列も入っている。


ただの雨なら、陣の力で凌げるが、水神力の影響大の雨に対して、陣は防衛反応が発動している。

そこで、二宮は内側にいる主催である嵐が呼んだ精霊が舞えば、精霊同士の力で、この地の霊力のバランスを取ることを思いついた。

 眷属たちの負担も軽減され、水神様たちもそのまま静観出来る。

自分達も観客も‘濡れ’はするが、魂へのダメージは少なくなる。



M(まったく ニノには、頭が上がらないよ…)

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