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虹色の精霊に導かれて…

第2章 ハワイの夜空の下で

櫻井視点

智くんの部屋の前に立つ。

在室のランプがついている。

(カードちゃんと入れてる…)


在室を示す淡いオレンジ光にのホッとする。



 コン コンコン
小さくノックをしてみた。



(返事がない…)

ドアノブを少し動かす。


(開いている…)


「智くん?……」
 遠慮がちに、声を掛けるが返事がない。


「智くん入るよ…」
 ドアストパーをしていないから、部屋にすんなり入れそう。


(もう!いつも言っているのに…
 智くんは、無防備なんだ!無防備過ぎる…

 俺達のこと信じてくれてるのは、嬉しいけど…
 襲ってね…て言われてるみたいで、ちょっと心配だよ)


一歩智くんの部屋に入った時。



{…襲うの?}
 声が聞こえてきた。


「襲わないよ!」
 ソク返事と声の方に手を振り上げる。




 振り上げた所には誰もいない。


 ハッと自分の行動に動揺する。


廊下に出て周りに誰もいない事を確認する。


「あぶねぇ…変な人になる所だった…、閉めよ」


 ブツブツ言いながら、そっと部屋に入る櫻井。

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