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あなたの色に染められて

第16章 クリスマスイヴイヴ


んっ。なんかくすぐったい……?

『…』

『おかえり。』

攻め立てていたときと全く別の顔をして私の頬にキスをした。

『もう…』

私の前髪を撫でて 親指で目元をなぞる。

『やっと こっちの世界に戻ってきた?エッチな璃子ちゃん。』

『知りません!』

ガバッと布団を被ってさっきまで曝していた自分の恥体を思い浮かべて一人頬を染める私は 相変わらず恋愛上級者の京介さんには敵わなかった。

『かわいかったよ。』

京介さんはそんな私の気持ちも露知らず布団を下げて見下ろして

…チュッ

軽くキスを交わしクスッと微笑みあった。

『えと…』

京介さんは私に覆い被さるようにしてベッドサイドの棚に手をのばし

『はい。メリークリスマス。』

ブルーの包み紙に真っ白なリボンで飾られた細長い箱を差し出した。

『…えっ。』

『一日早いけど…開けてみてよ。』

私は布団を体に巻き付けて体を起こし丁寧に包みを開ける

『うわぁキレイ!…ハート?…待って!これダイヤ?』

ハートの中に大小のダイヤが散りばめられたゴールドのネックレス

私はそのネックレスと京介さんを交互に見ながらきっと満面の笑みを浮かべていた。

『おまえ喜びすぎだよ。』

私の髪を掬いながら優しく微笑む彼に

『…これ…私に?』

『他に誰にやるんだよ。』

京介さんは体を起こして私の隣に寄り添うと

『ピンクゴールドっていうの?その色が璃子の白い肌に似合いそうだったから。』

『…ありがとうございます。』

丁寧に取り出すと ハートのトップに華奢なチェーンがゆらゆら角度を変えてキラキラと輝き

『…かわいいです。』

左右に振り子のように揺れるトップを目で追う私はまた京介さんに笑われた。

『付けてやるよ。』

『あ…ありがとうございます。』

少し後ろを向いて髪を手でひとつに束ねると

…チュッ

『…キャ…もう。』

うなじにお決まりのキスを落とす彼。

『はい。いいよ。』

ひんやりした感触が肌に触れると私はネックレスのトップを指でなぞり

『かわいいですね。』

『よく似合ってる。』

『すっごくかわいいですね。』

ニコニコしてる私の少し冷えた肩を そっと包み

『愛してるよ。』

まだネックレスのトップから手を離せない私に甘くて優しいキスをした。

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