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甘く、苦く

第48章 モデルズ【反比例・比例】






車を発進させても、
なんだか気分が乗らなくて。


あーあ、行きたくないなあ。


そんなことを思いながら
ぼーっとしてたらもう局についてた。


まだ楽屋にいきたくなかったから、
自販機に寄っていく。



「あーばさん、おはよー」

「に、ににに、にのっ…」



動揺しすぎ…。

にののとなりには
不機嫌そうなリーダー。



「おはよっ…」

「…。」


…返事を返してくれない。

…あーあ、リーダーも
落ち込んでるのかなあ。 


「んま、楽屋いきますか。」


にのが俺たちの手を引っ張って
ずるずると引き摺る。


…いてぇよ、ばか。



「おはよーございま…
あれ?翔ちゃんたち、まだ来てないや。」



……え?


来てないの?



俺が突っ立ってたら、
にのに頬をつねられた。



「ったたた!
やめろよ!お前ー!」



にのは満足そうに笑って
こう言った。



「やっぱさ、あーばさんは
笑ってた方がいいよ。

元気ないあーばさん、
なんかいじめたくなるなあ」



そんなこと言いながら、
ゲームを再開するにの。



…なんだよ。



…でも、ありがとう。

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