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DAYS

第38章 SUPER×2 LOVE SONG A×S





お店に着いた時には、
時間が時間だからか人もまばら。

店員さんが俺と気が付いているかは
分からないけど、
落ち着いた対応をしてくれる。


店には若いカップルが1組。
2人で肩を寄せ合って、幸せそうに
ショーウィンドウを眺めてる。


それと、俺と同じくらいの歳で
俺と同じくらいの背格好…


「え!?」
「…どうされました?」
「あ、いや、何でも…。
結構いい値段するんだなって…。はい。」
「は、はぁ…。」


店員さんは納得の言ってなさそうな顔を
してるけど、だってこれしか言い訳が
出てこなかったんだよ!

あまりの驚きに頭が働いてない。


だって、視線の先には俺の恋人。

翔ちゃんがいるんだもん。


翔ちゃんも、嬉しそうに、楽しそうに
ショーウィンドウを眺めてる。


俺のことを想ってくれてる?

俺のことを考えてくれてる?


「あの、これにします。」
「かしこまりました。

きっとお相手の方も喜んで下さいますよ。」
「そうだといいんですけど…。

本当に大切な人なので。」


翔ちゃんのその言葉に、鼻の奥がツンとした。

…あんな風に、真っ直ぐな言葉を
翔ちゃんから聞いたことはない。


ずっとどこか不安だった。
俺ばっかりが好きなような気がして怖かった。

そりゃ、翔ちゃんが苦手な料理をしてくれたり
掃除を頑張ってるのを見ると、
俺って愛されてるんだなって感じる。


でもやっぱりこうやって言葉にされると、
こんなにダイレクトに届く。

…まぁ、俺に向かって発した言葉では
ないんだけどね…。


「エンゲージリングですが、
お名前は如何しましょうか。」
「イニシャルをお願いします。」


ああ、エンゲージリングかぁ…。


「ええええ!?」
「お客様!?」

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