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DAYS

第38章 SUPER×2 LOVE SONG A×S





オーブンが焼き上がりを知らせる、
耳に心地よいチンっという音を出す。


ゆっくりと蓋を開けて取り出してみれば、
上手く焼き色がついて膨らんだケーキ。

チョコの甘い匂いに思わず頬が緩む。


「や、焼けたぁ…。」
「やべ、俺泣きそうだわ。」


松潤は涙腺も緩んだらしい。

まぁ俺もかなりキテんだけど。


「やっと上手くいったなぁ…。」


松潤の家に着いてから、もうどれ程
時間が経ったのか。

時計の針は、7時半を指してる…


「って、やばい!!
もうこんな時間じゃん!」
「早くパスタソース作っちゃおう。」
「間に合うかな…。」
「大丈夫。」

俺も出来るだけ上手く手伝うからと
背中を押されて、作り出す。


何だかトマトベースのソースを
作るらしい。

って、俺が作んなきゃ。


でもやっぱり上手くいかないのが俺。

「トマトの湯剝きってなに!?」

「胡椒入れすぎて辛い…。」

「ああ!焦げる!ってか、焦げてる!」


出来上がった頃には、もう2人とも
疲れ切った顔をしてる。


「…翔さんって、不器用だよね。」
「俺が1番知ってるよ。」
「間に合いそう?」
「うん…って、今何時だ。」


パッと時計を見れば、
9時を回っていた。


「やっべぇ!店閉まる!」
「じゃあ急がないと。」


松潤は手際よく荷物をまとめてくれて、
玄関で俺に渡してくれた。


「本当にありがとうございました…!」
「大丈夫だよ。

今度あった時は、ちゃんと色々
聞かせてね。」
「聞かせてって…。」


押し付けられたのは、紙袋。


「俺たちからのプレゼント。
いい誕生日とクリスマスを。

ほら、急いだ急いだ。」
「え、うわ、ちょっ!」


ぽーんと背中を押されて、追い出された。

ちゃんと礼も出来なかったのに。

いい仲間を持ったなって、
心がジーンと熱くなった。


「って、やべっ。急がないと!」

お礼は後日、ちゃんとしないと。

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