
DAYS
第32章 オールリクエストshort story♡
N side
基本的に、雨は好きじゃない。
ジメジメするし。
パッとしない天気が続くし。
何より、濡れるのが好きじゃないし。
1番嫌いなのは、
予想に反した、突然の雨。
「雨降り出してるじゃん!」
大学の講義が午前中に終わって、
即効で電車に乗って、最寄り駅まで
帰ってきた。
電車に乗ってる頃から、雲行きが
怪しいとは思ってたけど、
「何で降っちゃうかなぁ。
よりによって、電車から降りた瞬間に。」
天気予報は当てになんないな、ホント。
降水確率は0パーセント。
久しぶりの快晴って言葉に騙されて、
あいにく傘は持ち合わせていなかった。
すぐさま携帯で天気予報をチェックすれば、
どうやらこれは一時的なものらしかった。
これじゃあ、予報が出来ないのも
無理はない。
最寄り駅だ、とは言っても
家までは徒歩で20分ほどかかる。
この雨の中、それは嫌だし。
かといって、タクシーは
金銭的な問題がある。
ふと、視界の片隅に入った
小さなカフェ。
「…雨宿りしながら、飯も食おう。」
昼・夜兼用のご飯でいいか。
面倒くさいし、今食べながら
待ってる間に雨も止むだろう。
駅のすぐ近く。
その小さいカフェの扉を開けるまで、
俺は運命なんて信じてなかった。
雨なんて嫌いだった。
だけど、すぐに運命を信じた。
雨だって好きになった。
「いらっしゃいませ。」
「あ…。」
一目惚れだったんだ。
