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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






A side



今日は、大ちゃんの
ドラマのクランクアップの日。

そして、付き合い始めて
ちょうど6年たった日でもある。



仕事も終えて、大ちゃんの
マンションへと向かう。

その両手には、たくさんのビニール袋。

今日は色んなお祝いだからと
食材を買い込んで、手料理を作ることにした。


「ただいまー。」


家主がいない部屋に向かって、
言ってみる。いないのは承知の上。


さっそくキッチンへと向かって、
冷蔵庫に食材を詰める。


少し奮発して買ったワインは
栓を開けて、飲みごろにしておく。

爽やかなブドウの香りが
キッチンにふわっと漂う。



「わ、もうこんな時間か。」


時刻は、午後8時を回ったところ。

ワクワクしちゃって、買い物に
時間をかけすぎちゃったな。


大ちゃんが帰ってくるのは、10時過ぎ。
打ち上げがあって、参加しないと
いけないらしい。

それでも、あまり食べてくる気は
ないから、ご飯よろしくねっ、だって。


帰ってくるまで2時間はあるんだけど、
特別手際が言い訳じゃないし、
今から作る料理を作ったこともないから
時間には余裕がないと。



「さて。作りますか。」


シャツの袖をぐっと捲りあげて、
気合いを入れ直す。


大ちゃんの喜ぶ笑顔が目に浮かぶ。

それだけで頑張れちゃうよ?俺。


「ふふ…。」


旦那さんの帰りを待つお嫁さんの気分だ。

早く会いたいよ…。

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