テキストサイズ

DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡






「これってさ、お互いがお互いのことを
考えすぎて、こうなったってこと?」
「そういうこと、だな。」


顔を見合わせれば、くすっと笑みがこぼれる。

それは和も同じ。

久しぶりに見た、俺専用の笑顔。
相葉くんにも見せない笑顔。


「誤解しちゃって、ごめん。」
「それは俺も一緒だもん。
ごめんね?」
「仲直りのキス…、していい?」
「しょーがないなぁ…。」


和がゆっくりと瞳を閉じて、
俺に全てをゆだねてくれてる。

久しぶりに触れる唇。

触れるたけで気持ちがよくて、
体がじーんと暖かくなる。


本当に触れるだけのキスをした。


「…なんで?」


和は不満そうな顔をしている。

唇をきゅっと尖らせちゃって。


「帰ってからにしよ。
今から収録だもん。俺、我慢出来なく
なっちゃうからさ…。」
「うん!」


来た時と同じように、帰る時も
和の手を引いて帰る。

心なしか、来た時よりも
もっと暖かいような気がした。



楽屋に帰って、アジサイの花言葉を
調べてみることにした。


「へぇ…。」


1つ、何だか俺たちっぽい
花言葉を見つけた。


「何調べてるの?」
「あ、和。

今日、アジサイ見て帰ろ。」
「え?アジサイ?」
「ついでに、花屋でアジサイ買おう。」
「でも、アジサイってー…」


何か言おうとする和に、
携帯の画面をふっと見せた。


「あ…。

ふふ。さっきまでの俺たちみたい。」
「だろ?」
「いいね、アジサイ。
見て帰ろうね。」



どれだけすれ違ったって、ケンカしたって、
ずっと和だけを想ってる。



アジサイの花言葉。

『辛抱強い愛情』



-end-

ストーリーメニュー

TOPTOPへ