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DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡




S side



俺の彼女には、悩みがある。

なかなか素直になれないっていう悩みが。


だけど、和は気が付いてない。

たまに見せてくれる『素直さ』が
とてつもなく可愛いんだってこと。


ずっと素直な和だって好きだけど、
やっぱり


「和ー、一緒にお風呂はーいろ。」
「ヤダ。無理。」


和にはこれくらいがいいのかもしれない。

って思ってたのに、最近は


「…翔と入るの、恥ずかしい。
翔の体、見たら欲しくなるから。

今日は別々なの。」


たまーにすごく素直になることがある。

かなりレアには違いないんだけど、
決して無理してるようには見えない、
和の素直な気持ち。

それを、和はよくこぼすようになった。


「そんなこと言われたら俺、
我慢出来ないんだけど。」
「今したらご飯食べらんない。
我慢して。」
「えー…?」
「あとでいーっぱい貰うから。
翔も覚悟しててね?」


ストレートに表現してくるようになった。

理性を保つのが、以前に増して
難しくなってるのは言うまでもない。



どんな和だって好きだ。

この言葉が、和を大胆不敵にさせてる。

現に、あの日から和は変わったんだから。


やられっぱなしは悔しくて、
何も言わずいきなり後ろからハグをして、

耳元で「好きだ…」と囁く。


真っ赤な顔して、口をぱくぱくさせて
俺を見る和の姿は、いつだって変わらない。



「ね、我慢出来るの?」
「…出来るから離れてよ。」
「嘘だ。

だってここ…ねぇ?」
「ぁ…っ。」
「どうする?」

「…まだ。

お風呂入って、ご飯食べてからね。」


我慢出来たらご褒美あげる…。


今度は俺が耳元で囁かれた。


やっぱり和には勝てない。

でも惚れた弱みってやつ。



「期待して待ってるね。」


和のベッドが、他の何よりも素直で
大胆不敵なのは、俺だけの秘密…。



-end-

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