
DAYS
第32章 オールリクエストshort story♡
N side
似てるって言われて、
「は?どこが?」
そうは言ったけど、
あながち間違ってはないと思う。
似てる部分があるから、
同じ人に惹かれたんだろうし。
きっと恋愛は心理戦、的な考えも
似てるから、お互い探り合いばかり
してるんだと思う。
だからなのか。
時々、同情してしまうんだ。
どれだけアタックしたって、
このド天然罪作り男は気が付かなくて、
その度に落ち込んで。
そんな櫻井さんを見て、
あぁ、同志がいるんだ、ともなる。
だから、櫻井さんは憎めない。
自分を見ているようだから。
「さくらいさぁーん、にーのぉー。」
いい感じに酔いが回ってるコイツは、
俺らの気持ちには1ミリも気が付かないで、
もう寝てしまいそうだ。
「こんな所で寝んなよ?」
「んー。ふふふ。」
柔らかく笑う相葉さんに、ドキッとして、
顔がきゅっと赤くなるのが分かる。
ちらっと櫻井さんを見れば、
あちらも全く同じ状態。
「寝たら置いて帰るぞ。」
「えー…。
一緒に連れて帰って、ね?」
上目遣いで、平気でこんなことする。
ずるいなぁって思いながら、
胸がドキドキするのを抑えられない。
それはあちらも同じ。
とうとう酔いつぶれた相葉さん。
3人の前にはタクシー。
どっちが相葉さんを連れて帰るかで
もめてた。
「上司の俺が…。」
「上司の家なんて気を使いますよ。
俺が連れて帰ります。」
「分かった。じゃあ、じゃんけんしよう。」
この年になって…と思ったけど、
このままじゃ埒がが明かないから。
「「最初はグー!
ジャンケンポン!!」」
「よっしゃぁーーーっ!」
「うわ、最悪。」
「じゃ、俺が。お先です、櫻井さん。」
このバトルは始まったばかり。
頭1つ分、俺が有利?
ここで引き離させていただきますよ。
オフィスの外だって、
いつだって恋は戦場だ。
「さ。相葉さん、帰りましょ。」
-end-
