 
ねがい*ごと
第8章 願いがかなう時
私は優矢の側で遊ぶ叶美に駆け寄る。
「叶美っ…叶美ぃ…」
その体をギュッと抱きしめた。
「ママ」
その声も今は特別に聞こえる…。
「亜沙美どうしたんだよ!?」
私のただならぬ様子に、優矢が驚いた。
「ママがね、この絵を見て泣いたの…」
亜優がか細い声で優矢に伝える。
「絵を?」
私は叶美のやわらかなほっぺたを触って、確信する。
なぜ、気がつかなかったのだろう。
叶美は、あの子の……生まれ変わりだ。
「ママと遊んだ事、覚えていてくれたんだね。ありがとう…っ…」
「ママ、どうして泣くの?」
叶美のつぶらな瞳が私を心配そうに見上げた。
「ううん、とても嬉しくて…泣いてるんだよ。ふふ」
「ふ〜ん」
すると、亜優が半泣きになって私にしがみついてきた。
「叶美だけずるい〜、私もだっこしてよぉ!」
「ごめんね亜優、おいで」
私が2人の我が子を両手に抱くと
「パパも仲間に入れてくれよ〜」
と、優矢がその大きな腕で私達を包み込んだ。
パラリ…
叶美の絵には
私と
少女が
赤いボールを転がして遊ぶ、
あの不思議な晩の光景が
描かれていた……。
お*わ*り
 









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