 
ねがい*ごと
第6章 優しい貴方
私は少女をぎゅっと抱きしめた。
「生んであげられなくてごめんなさい…私を許して…」
この子は天国に行けずにさまよっていたのか。
それとも天国から会いに来てくれたのか…?
そのとき。
『…ママ…』
はっとして、体を離し顔を見た。
今、確かに聞こえた。
私をママって…!
見れば見るほどかわいくて、もう離したくなかった。
「ママを迎えに来たんでしょ?
ずっと1人ぼっちで寂しかったね…。連れていって、ママを一緒に…」
『違うよママ!』
「えっ…」
少女は私をじっと見つめた。
「それはどういうこと?」
「亜沙美行っちゃだめだっ!」
いつの間にか優矢が私の腕を掴んでいた。
 
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