 
ねがい*ごと
第2章 始まり
「うん……実はね」
ミツコさんは改まったように、長いさらさらの髪を片方耳にかけると、伏し目がちに話した。
「私、営業の小野さんが好きなの」
「えっ」
小野さんといえば、確かに仕事もできるし、気さくで優しい人だ。
それに社内一のイケメンときている。
でもいきなりそう言われて、私はびっくりしていた。
ミツコさんはお酒が回ってか頬がほんのり赤くて、色っぽく見えた。
「亜沙美ちゃん私、彼に告白しようと思う」
「っ…ミツコさん」
「ふふ。私が自分から行くなんて意外でしょ?」
「え、えぇ少し。ミツコさんがそんな一途だったなんて、知らなかったから」
私も酔いが回って、なんだかいい気分だった。
小野さんとミツコさんか…。
美男美女だし、きっとうまくいきそうな気がした。
 
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