
Doki Doki⛔️one way love〜一方通行の恋
第10章 10
「あらー、そうだったの」
「そうなんですっ」
「やっぱりねー、兄妹だなんておかしいと思ってたのよ」
「…ですよね」
「そうよー、私、勘は良い方なんだから」
その割には駿を紹介しろと迫っていたのは他でもない、あんただ
「ははは、バレてたんですねっ」
「んもうっ、婚約してるならしてる、って初めからそう言ってくれれば良かったのにぃ」
「ええ、でもまだ会社にも言ってないんです」
「騒がれると色々と面倒で」
「そ、そうなんですっ、だからしばらくはこのまま秘密にしておこうってことに」
「あはは」
「ははは」
係長の機転でこの場はなんとか誤魔化せた
さゆりさんは二杯目のコーヒーを飲み干すと帰って行った
「係長、あんな出任せ言っちゃって大丈夫でしょうか」
「仕方ないだろう、咄嗟にああ言うしか無かったんだから」
「ええ、でも…」
「まあ、これで彼女も諦めてしつこくつきまとって来なくなるだろ」
「それはそうですけど…」
「それとも本当に婚約するか?」
「な、何を…」
真っ赤になって返す雛
「冗談、冗談」
駿はヒラヒラと手を振りながらバスルームに消えた
