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1人じゃなくて。

第3章 No.3



(コンコン)

また、扉をノックする音が聞こえる。


「はい…」

小さく返事をすると、四角の木箱を持ったさっきの男が入ってきた。

「救急箱。手当てするから、手出して。」


ベッドに座っている少女に、目線を合わすよう男はかがんだ。


「……ありがとうございます。」

お礼を言うと、少女は掌を見せた。
「ん。」と無愛想な返事をした男は救急箱から消毒液を取り出す。



部屋に沈黙が流れる中、消毒し終わった男が口を開いた。


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