
1人じゃなくて。
第8章 No.8
…とは言ったものの…
「着て行く服……これでいいのかな?」
よくよく考えて、可愛い服を持っていないことに気づく。
今着ているものは
白い大きめのパーカー
黒のズボン
「そういえば、流行りとか気にしたことなかったなぁ…」
鏡に写るのは、シンプルな格好の私。
加奈子さんは、どんな服を選んでくれるのだろう。
私に似合う服なんてあるのかな?
「あ……自信がなくなってきた」
そんなことを呟いていると
加奈子さんが待っていることを思い出した。
「すみません…ちょっと時間かかっちゃいました。」
そう言って私は
帽子を深く被った
