
先生…お願い。早く治して・・・
第70章 戻らない記憶…そして…
司馬は綾の前でしゃがむと
“ほらッ”
『えっ?!』
“お腹痛いんだろ!石川の部屋までは結構ある”
『やだ…行きたくない…』
“ 大丈夫だ、記憶を失う前のお前は何度も石川の治療受けてる。それともなにか?俺が治療してやろうか?”
からかう様に、クっ…っと鼻で笑う司馬に
『……。』
私は言葉を失う
“ほら、それが嫌なら早く乗れ!”
いつもクールで怖い司馬先生…、顔はいつもと変わらずポーカーフェイスだが、それでも今日は凄く優しく感じた
