
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
「もう、話聞いててよー!
岡崎さんの写真!枚数多く撮っても、結局使えるのは何枚か、それに仕事で撮ってるモデルの写真が優先だから、選ぶのよ!
どれがいいと思う?」
『……うーん』
客観的に見て一番目を惹くのは、あの彼女を見つけたような感じの写真。
でも、それを大勢の人に見てほしくない気もして…
(…って、何考えてんの私!だいたい、売り上げのこと考えたらそれしかないでしょ!)
『これ、かな?』
優しく、遠くを見ている写真を指した。
「……幸村、わざとか?」
口元を手で覆って岡崎さんが聞いてくる。ほんのり耳が赤いのは、外が寒かったから?
『わざと?何のことかわかりませんけど、この写真が1番いいと思います。
世の女の子も大喜びですよ!』
「岡崎さん聞きました?世の女の子、ですからね?
"世の女の子" !」
なぜか強調する川端。
「ふーん…分かったわ、ありがと」
なんだか意味ありげに微笑むユズ。
みんな何なの?
