
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
――幸村 波香side――
…なんなの、この状態。
「やっぱりやりましたか、ユズさん」
私に手入れができてないとか散々説教しつつも、
私を変貌させてくれたユズの部下の女の子はため息をついていた。
メイクや肌のお手入れのことは何でも知っているような感じがしたから聞いてみたら、
編集者の仕事をする前はモデルさんや俳優さんたちのメイクアップアーティストとして活躍していたそうで……
ちょっと、いや全く、そんなすごい人を編集の仕事に引き込んだ挙句、ぞんざいに扱うユズの考えが理解できない……
って、今はそうじゃなくて!
『なんであの2人がモデルさんと写真撮ってんの!!?』
「静かにしてください。人は美男美女には寛容ですけどそれ以外には厳しいので。
関係者以外立ち入り禁止ですから」
サラッと毒を吐かれたような……
まぁ、私は確かにその条件には当てはまらないけどね。
そしてなんでかイケメンという人たちは、何をしてもカッコよくて。
美人なモデルさんより岡崎さんたちに目がいくのはなんでだろう?
…って、私たちこれから営業行くんじゃありませんでしたっけ?
