
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
『……そんなに嫌いだったの?私のこと。
川端と岡崎さんと組んでる不釣り合いな女、って思ってた?
だからミスをさせようと必死だったわけだ』
自分が思っていたよりも低い声が出た。
「っ!私じゃ――」
『好きなふりなんてしないでよ!いい気味だと思ってるでしょ?上手くいってよかったね!』
「私じゃっ、ないです……」
ポロポロ流す涙が癪にさわる。
『泣きたいのはこっちなんだけど……
…もう、好きなフリなんてしなくていいから。
近寄らないで』
そう言い置いて私は更衣室を後にした――
