
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
ガチャ!
勢いよく扉を開けると、南ちゃんがびっくりしたように振り向いた。
(……なんでこんな半端な時間帯に南ちゃんが?
それに今……なにか隠した?)
カサっと紙のようなものの音がしたのだが……
「幸村さん?どうかしました?」
『…ちょっと、急に外回りすることになったから、着替えに来たの』
急ぎの用事だったことを思い出して疑念を振り払う。
(まさか、ね……)
自分のロッカーまで来て、ダイヤル式の鍵に手をかけたら――――
(なんで……鍵、開いてる…………)
すごく嫌な予感がする。
恐る恐る開くと――――――
『……ウソ…』
――――スーツが、切られていた。
