テキストサイズ

君は少しも悪くない。たぶん

第7章 IROあせない、想い


俺にしがみついた彼をそっと離した。


「中、はいろ?」

今すぐにでもその涙が流れる理由を聞きたかった



ドアを開け、少々強引に彼を引き込む。



「まさ…き…」


閉まったドアに背中をつけ、ずるずると下に落ちた。

「なんで、泣いてるの?」

荒れ狂う心とは裏腹に


優しい声が出た。




…こんなに翔ちゃん泣かせたの誰だよ

そう、怒りのベクトルはそこ




「うぅ…俺のせいだ…」



なにがだよ…


「…俺のせいで、

嵐はぐちゃぐちゃだぁ…」


自分で自分を追い詰めてるし

それに加えて、


「誰に言われたの?」



普段はこんなに悩まない


首をイヤイヤと振り続ける彼に、目線を合わせた



「しょお?」



見つめ合えば

澄んだ、焦げ茶をした瞳


吸い込まれるような
この眼差しが大好き


なにも答えない彼のと


俺の唇を


そっと重ねた



ストーリーメニュー

TOPTOPへ