テキストサイズ

sugar-holic

第27章 お別れ

ちゃんと頭の中に残ってる。

『今度のプロジェクト、必ず成功してみせます。
で…成功したら…俺の言う事聴いて下さい』

倉田くんの声を覚えてる。

覚えてるけど…

「約束した覚えなんかないし!」

「ちゃんと乾杯しましたよね?」

勝手に缶ビールを当ててきただけでしょ?

「あんな…何が目的だか分からないような約束、受けるわけがないじゃない!?」

机の上を片付けて、自分のバッグに持ち帰るものを詰め込んだ。

「じゃあ」

倉田くんが私の机に手をつき、

「具体的に言えばいいんですか?」

見下ろされて、何だか威圧されてるみたい。

「内容による…けど……」

雰囲気に飲まれそうになる。

タジタジとなって、語尾が小さくなった。

あ、こんな弱気になってたら駄目だ。

勇気を出して倉田くんを見据える。

倉田くんは、私の視線に一瞬驚いた表情を浮かべたものの、にやっと笑いを浮かべた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ