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未知夢

第14章 滝繁

 繁が違う世界で救ったから、目の前に綾子がいる。


 もし、自殺していなければこんな展開が待ってたんだ……と、繁はしみじみと思った。


「森屋……今回の件、俺が責任を取る。まあ、こいつを許してやってくれとは言わないが……どうせ酔いが覚めたら何も覚えていない。俺は別の世界でこれと同じようにやって、森屋を殺害してる。それがわかってたから犯行を阻止しに来た。傷つけたくはなかったが、怪我をさせたのは俺のミス。俺とこいつは一緒だから、俺が傷害と殺人未遂としてこいつの代わりに自首をするよ」


 繁はそう言うと、床に踞っている繁を起こして、肩を抱いた。


 顔をグシャグシャにし、おぼつかない足取りで立つもう一人の繁は、嗚咽を吐きながらよたよたと歩き出す。


 森屋は痛みをこらえて体を起こした。


「滝さん……あんたに……聞きたい……」



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