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未知夢

第12章 好機

「な、なにを……」


「いったいいくら借りてるの? どうやって返すの? 返せなかったら私、どうなるの? 無職のお父さんがどうやって返せるのさっ!?」


「ドッキッ!!」


 胸に刺さったのはなぜか繁の方だった。


「無職」の2文字が、今の繁にはナイフよりも鋭く突き刺さる。


 隆夫はうつ向きながらゆっくりと口を開いた。


「綾子……」


「えっ? 綾子?」


「娘の本名は綾子だ。わしは確かに無職でダメな父親だ。借金をしたのも娘の結婚資金の足しにしようと思ってのことだ。すぐに仕事を探して少しずつ返して行こうと思って……だが、なかなか雇ってくれる所がなく返済日が来ても支払えずに……」


「なぜ、あんな暴力団の経営するサラ金に?」


「わしは、一度自己破産をしている。銀行や大手の金融会社では借りれないんだよ」


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