テキストサイズ

ネムリヒメ.

第25章 Black Emperor.







「…郁くんから預かってるよね」

「し、っ知らない、から…」

「…そう」


─パツンッ…


「んん…!!」


アンダーバストにあたる部分のホックが聖の白い指先によって弾かれる

久しぶりに空気にさらされる肌に滲んだ冷や汗を、空調の風がひんやりと撫でた


「…どこ」

「……」


自分を追い詰め迫る栗色の瞳に若葉の背中に悪寒が走る

すると、


「言わないなら別にいい」

「…いいって、な…に」

「それ、聞く意味あるの」

「…!!」


若葉が声をあげるよりも聖の手の方が早かった

最後のホックにかけられた指先がすべての締め付けを開放する


「ひんむけって…」


はらりとただの布へと姿をかえたビスチェの前が開けられる


「言われてるから」

「………!!」


上半身をまっさらに暴かれ、それは羞恥の涙なのか…

若葉の瞳からは言葉なく透明な滴が流れ落ちていた


…にも関わらず、


「…ねぇ、ここに入れてたんじゃないの」


そんなもの、まるで見なかったというように、開放され流れた胸の双丘の谷へ指を這わせる聖

挙げ句の果てには、若葉の背中を一瞬浮かせたかと思えば、はだけさせたビスチェを一気に引き抜いたのだ

それにはすっかり傍観者の望だった目を丸くする

しかし、聖は尚も若葉を追い詰める姿勢を緩めなかった

まだ彼女の体温が残るインナーをソファーに放り投げる聖の表情は一切崩れない




ストーリーメニュー

TOPTOPへ