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ネムリヒメ.

第16章 散らばるカケラ.





「なーんだ…ちゃんと自覚あるんじゃん♪」


ひ、聖くん鋭いから…っ、怖いからっ


「あーあ、本気でオレたち3人相手とか、寝る暇なさそっ」

「っ……!!」


クスリと喉を鳴らす聖くんに背中がゾクリとして、とっさに渚くんを伺う



が、



「お前……最悪…」


って、え────…!!


なにそのため息



「まぁ、それはよしとして。よかったね、ちーちゃん」

「え……!?」


えっと…


「これで渚くんはホントに青天白日の身になったんじゃない!?」

「あ……」


さっきまでの胸の痛みとモヤモヤがなくなっているコトに気がつく


「…さっきの彼女、どう見ても渚くんのタイプじゃなかったし、

それに渚くんがわざわざ仕事に差し支えるような真似しないコトは知ってたけど、ね」

「…おいおい」

「あー、すっきりしたっ♪ …っと、電話だからちょっと外すねー」


聖くんはヘラっと笑うと、軽い足取りで電話を片手に部屋を出ていく


って…待って!!


この流れのまま渚くんと二人きりにしないでっ!!


ど、どうしよう…

ホッとしてるはずなのに、なんだか心臓がヤバいコトになってる


「…………っ」


う、うるさいよ!?うるさいよ!?

なに緊張してドキドキしちゃってんの


すると…


「なに黙ってんの…」


ぎこちなく彼の方を向くと、タバコを燻らしながら渚くんが切れ長の目を艶っぽく細めた




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