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ネムリヒメ.

第16章 散らばるカケラ.





そして、そんなアタシたちの様子を見ながら


「めんどくさ…」


そう雅くんが吐き捨てたところで


「みっくんも黙ってようねー」


と、葵くんがすかさず彼の口のなかにミニトマトを放り込んで、笑顔の圧力をかけていた


それから楓と少し話しをしてから電話を切った渚くん

彼は大きなため息をついてからこちらを振り返った


「千隼…」

「…もごもご」

「は!?」


いやいやいや、手…離してください


「あぁ、悪い」


って、ちょっと!!


「…つーか、濡れた!?」

「冷たいっ!!」

「悪いな、ちょっと強引だった」


ってコトはやっぱりさっきの…わざと


「それで、かえ…」

「葵っ、テっメェ!!」


そこで向かい側からあがった声が会話を遮った


「ゴメンゴメン、みっくん…イチゴとミニトマト間違えちゃった」

「わざとだろ…なぁ、嫌いってわかってて、わざと入れただろ!!」


葵くんに向かって雅くんががなりたてる


「いいじゃん、どっちも赤いし♪ 好き嫌いはダメだよー」

「っせーな、ヤなもんはヤな…んぐっ!!」

「黙ってろ…」


今度は渚くんが雅くんの口にイチゴを突っ込む


「よかったねー、イチゴだ…んんっ!!」

「お前もだ」


あ、葵くんまで…




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