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ネムリヒメ.

第15章 イチゴタルト.








「つーか、お前が聞きたいだけだろーが」

「はいはい♪ それでそれで!?」


葵が不機嫌な渚にヒラヒラと手を振る



「……あのガキ…」

「うんうん♪」

「ってか、お前がすげぇ楽しそうでムカつく」

「うん♪楽しい」

「…おい」


ゲシッ!!


「ぐふっ」


渚の長い脚が葵の脇腹を捉える


「げほっ…ゴメっ冗談、んで!?」

「……目の前で抱きやがった」

「ん……誰を」

「アイツ…」


ナギの言っている"アイツ"はちーちゃんで…

で!?

口にグラスを着けたままの葵が一瞬固まった


「え、誰の!?」

「オレのだよ…」

「………」


カランっ


「………ブッ!!」


そう吐き捨て、氷を鳴らして渚がグラスのバーボンを一気に煽ると、葵は口に含んだバーボンをすべて吐き出してむせる


「っ!! ったねーな」

「ゲホッゲホッ…あ…そ…うちのお坊っちゃま、やるねぇ…ちょっ、み、みず…」

「マジになると見境ねぇのは今に始まったコトじゃねーけど…」

「ナ…ギ…」

「はぁ……ありえねぇ」

「み…ず…ゲホッ」

「…お前のむせ方もありえねぇし」





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