
凍夜
第3章 花
アリサとレイジは、白んだ空の下、アリサの家に向かったが、そこに、レイジの妻だと名乗る女が、現れた。
〈静香〉
ダイアモンドに在籍する、アリサより10は若い同僚であり、ライバルだった。
「レイジ、もう籍も入れたしパパなんだから、そんな女構わないでよ。」
静香はそう言って、レイジの腕を掴んだ。
「口の軽い女は嫌いだよ、離婚だね。」
レイジはその手を振りほどいた。
アリサとレイジは軽く鼻で笑うと、アリサの家へと入って行った。
その姿を見ていた人が、もう一人いた。
《アリサ、信じていたのに……!》
アリサの熱狂的ファンの男だった。
