テキストサイズ

conqueror

第1章 初日

「もしもし、コウさんですか?あの、エリナです。」

私は、呼吸を整えて、できるだけ冷静を装った。

「そうだよ。家に帰ってきたの?」

「はい。」

「まだ、とめてないよね。少し息が荒いね。」

こんなに我慢していても、わかってしまう。

「もう、止めても、いいですか?」

恐る恐る聞いてみた。

電話だと、彼がどう思っているのか、わからなくて、とても不安だった。

「どうしようかな。終わりにしようと思っていたけど、君がそんなことを言うから、終わらせたくなくなってしまったよ。」

「そんな、だって、あぁ、もう、その、辛くて。」

「そうなの?じゃ、終わりにしてあげようか?」

彼はあっさり、そう言った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ