
山岸君と照井君
第35章 指先―――……
「――――…本当に…いいんですか?」
俺は、苑心の手をギュッと握り……
再開の熱さを手のひらで伝える…
「父様は、まだ――――…お前たちの事を…許してないし…理解する気もないと言っている――――…
だが…俺は―――――…
【愛】の形は……無限で…どれが正解かは…解らないって―――――――…
心陽と一心に会って……思うようになっただけだ…
それに…苑心からの手紙は…クソガキへの思いが…痛いくらいで……
心陽が…それを読んで…俺に…説明するんだよ…
死なない思い…消えない人の思いを……だから―――…」
俺は…ギュッと握り返される手に―――――…
【消えない思い】を感じた…
「だから――――…もう…認めてあげたって事ですか?雷心兄さん?」
最後の大事な言葉が言えない雷心さんに代わり…
岳心さんが………
俺たちに―――――――…
天の川の橋を…架けてくれた…
