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山岸君と照井君

第35章 指先―――……


「――――――――…宏樹…」





俺は――――――…目の前の…





苑心の姿に――――――…




息が……出来ないくらい…


驚き……



足が……鋤くんで……



震えだした――――――…





「宏樹―――――…宏樹…」


「――…苑心…苑心…本物?」






鋤くんだ足に力を入れ―――…



一歩…進む――――――…









苑心も…赤ん坊を抱き締めたまま…


一歩……踏み出す…






踏み出したら!!


身体は……一直線にお互いに向かい!!



数メートを……互いの目を見つめ…


距離を縮める―――――…



小さな…歪みなんか―――…




俺たちにはなくて――――…



三年…離ればなれだった事なんか……


感じない…





苑心は、あの時のまま……

黒髪が…サラサラで…


クソ真面目の…真っ直ぐな目で…俺を映す…






「宏樹…会いたかった―――…」



「苑心……俺も…

会いたかった――――――…」






俺は、苑心を抱きしめたくて手を広げる!!


苑心はニッコリ微笑み…俺の中に包まれる!!






が――――――――…




「オッギャァ〜〜〜〜〜!」



と、泣く!苑心の腕の中の赤ん坊に…


気をとられる!!





「オイ!苑心、クソガキ!!俺の息子に悪影響だ!!離せ!」





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