
山岸君と照井君
第35章 指先―――……
女性に水を渡し……
様子を伺う―――――――…
「ありがとう……
徹夜な上に―――…この着物でしょ?
立ち眩みしちゃって…式が終わったら着替えないと…
私…倒れちゃうわね…」
女性は、水を飲み干すとニッコリ微笑んだ…
あれ?…この笑顔…
誰かに…似ている―――…?
「あなたも…雷心の結婚式に出席するの?」
“あなたも―――…”?
「驚きよね…あの、雷心が…結婚ですって!しかも、子持ちの女性と――――…」
小柄な女性はケラケラ笑い…嬉しそうに俺を見た――…
「―――――…あの子達には…ホントに申し訳ない事をしてきたから―――…
皆…幸せになって欲しいわ…」
え――――…“あの子達”?
「しかも…雷心の奥さん!私の担当してた妊婦さんだったのよ?
家庭の事情とか聞いていたから…スッゴク驚き!!」
「はぁ―――…」
女性は身ぶり手振りで、雷心さんの情報をしゃべり続ける!!
