
山岸君と照井君
第34章 結婚式―――……
唇が―――…ジンジンする…
キスなんて――――…
久しぶり過ぎて…感覚が…解らない…
男の唇で――――…
あんなに気持ちがいいのだ…
女性の柔らかい唇に触れたら…
この胸のぐちゃぐちゃした感情は…
溶けてなくなるに違いない…
俺は、酒とキスでクラクラする頭を……壁にコツンとぶつけ……
ベッドに横になる………
「――――ぁ…歯磨き……」
ふと…扉の前に…米屋の気配を感じるが―――――…
デカイ犬が…飼い主様の様子を伺うかのような行動に…
フッと…笑ってしまう…
俺は、ベッドの上で…片足を夢に突っ込んだ状態のフワフワした感覚に――――…
身を委ねていた――――…
