
山岸君と照井君
第29章 沈む心―――……
首にはまだ…
うっ血がみられる――――…
首が…痛い――――――…
宏樹は―――…
もっと痛かったにちがいない…
宏樹―――――――…
宏樹―――…
ごめん…
ごめん――――…
ごめん…
「――――…二度と…
照井君とは関わるな――…
いいな―――――――…」
父の言葉の意味が……
僕のベッドに散らばる…写真を見て気づく…
この写真で――――――…
僕と宏樹の関係を疑わず…
出した結論……
「――――…それと…
南城1校には留学届けを提出する―――――…
苑心――――…お前はイギリスに行け―――――…」
涙で……
写真を見ることも…
父を見ることも出来ない…
留学――――――――…
イギリス―――――――…
米屋につけられた首の傷に――――…
…絡まる父の…鎖の首輪が…
息苦しさを……上書きする…
