山岸君と照井君
第27章 曇天の入口―――……
俺は、車に乗り込み―――…
久しぶりに自宅に車を走らせた…
何年ぶりかな……
車から見える風景が…
多少は違っていたが…
違和感なく…道を進めた――…
結局…
“実家”“自宅”とは…
目を閉じた状態でも…帰れるって…場所らしい…
そんな…場所なのに―――…
俺たち家族は…
無視し続けていた――――…
残酷で…
冷酷で――――…
当たり前だった――――――…
だが…俺たちが…無視し続けた弟は――――――――…
透明だった弟は…
米屋すらも…
変えてしまうくらい…
異色し……光輝く……
出会いをしてしまった―――――――…
米屋が…
壊れ…執着してしまうほど…
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