
山岸君と照井君
第21章 血の繋がる他人―――…
一際…立派な病室が並ぶ病棟―――――…
その奥の部屋の扉の前に立つ――――…
「―――…ここ…か…?」
宏樹が隣で…扉と…僕を見比べる―――…
僕は、うなずき…
宏樹の手を握る――――…
緊張する…だって……
高校の…入学式以来だ……
「さぁ、お見舞いだ…笑顔で行こうぜ!」
ギュっと握り返してくれた手が…
僕の緊張を…和らげた…
“笑顔で…”か…
宏樹らしい…
僕は、ドアをノックした――…
「―――…はい」
僕は、心呼吸をし…
お祖父様の居る病室のドアを開けた――――――…
