
山岸君と照井君
第21章 血の繋がる他人―――…
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
宏樹は、立ち上がり深々と頭を下げる…
「―――…ふ〜ん…同じ…シャンプーの香りかぁ〜」
岳心兄さんが…ボソっと呟いたが…
僕も宏樹も…聞こえなかった…
「じゃぁ…苑心…後は任せて
コンタクトと処方箋もらって行くんだよ?」
岳心兄さんは、僕と宏樹に手を振ると爽やかな笑顔で…診察室に戻って行った…
な…あれ?言葉が丁寧だ…
まさか…岳心兄さんって…僕にだけ…意地悪な言い方するのかな?
「はい!ありがとうございました」
って!!何で、宏樹が岳心兄さんに頭を下げてるんだよ!!
「な〜んだ!超いい人じゃん!お兄さん!」
「はぁ?…騙されてる…」
「?」
僕は、岳心兄さんが二重人格なのでは?と…疑いたくなってきた…
