
【S】―エス―01
第24章 兄弟
当の刹那は思い出したように膨張を続ける空間から足元の床へと視線を送り、誰に向けるでもなく語りだす。
「初めはね、僕たちの秘密を知ってる人間を片っ端から消していこうと思った。……でも、途中で気づいたんだ」
一旦言葉を途切れさせ、刹那は物憂げに目を伏せる。
やがて瞼を持ち上げ、長い睫毛の奥から覗く薄紫色の瞳が「君なら分かるでしょ?」そう訴えかけてきた。
そして、更にこう続ける。
「例え全て消してしまったとしても、必ず同じことを繰り返す人間が出てくる。憎しみの連鎖は止まらない」
「僕らは、その道具として使われる勝手のいい消耗品」そう語る彼の瞳には、わずかだが悲しみの色が垣間見られた。
ゆっくりと顔を上げた刹那は口元に薄く笑みを湛え、瞬矢の質問に対する答えをこう締め括る。
「だから、全部消すんだ」
「初めはね、僕たちの秘密を知ってる人間を片っ端から消していこうと思った。……でも、途中で気づいたんだ」
一旦言葉を途切れさせ、刹那は物憂げに目を伏せる。
やがて瞼を持ち上げ、長い睫毛の奥から覗く薄紫色の瞳が「君なら分かるでしょ?」そう訴えかけてきた。
そして、更にこう続ける。
「例え全て消してしまったとしても、必ず同じことを繰り返す人間が出てくる。憎しみの連鎖は止まらない」
「僕らは、その道具として使われる勝手のいい消耗品」そう語る彼の瞳には、わずかだが悲しみの色が垣間見られた。
ゆっくりと顔を上げた刹那は口元に薄く笑みを湛え、瞬矢の質問に対する答えをこう締め括る。
「だから、全部消すんだ」
