
箱……肆
第1章 動く箱
ふと…
眠気が…襲ってきたが――…
私は、下唇を噛みしめ!!
寝ないようにした…
寝たら…知らぬ間に…
殺される!!
私は…グッと…左指のリングを包むように決意する…
逃げ出せるなら…逃げ出したい!!
だが…
体は縛られている訳でもないのに…
重くて…すんなり動いてくれない!!
まさか…薬…?
ふと――――――――…
自分の腕に目が行く――――…
腕に数ヶ所…
赤い小さな斑点―――――…
ああああ…あああ゛ああぁ…
まぎれもなく!!
注射の跡――――――――…
アアアアァァァァ――――!
動かない体…
出せない大声―――――…
私は…何の抵抗も出来ず!!
この男に!!
辱しめられ!!殺される!!
