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初カノはエロうさ

第3章 変態彼女にお仕置きを

「な、金貸してくんない?」

「……この前渡したので全部ですけど」

夏生まれの俺が成人するのはまだ少し先。大人のくせに、未成年から金取んなってんだよ。

10歳近く上のセイは、定職に就かないからいつも金に困ってる。


「たった5万のバイトで満足?いいバイト紹介しよっか?」

「……は?」

人から金巻き上げて生活してるヤツには言われたくないセリフだな。

まぁ…母親の負担を考えたら、5万のバイト代じゃ少ないんだろうけど……

完璧に心が顔に出ていそうな俺。その顔を覗き込み、セイは満足そうに笑う。


「お前なら結構稼げる」

「……なら、自分が働けば?」

……だろ?

いい歳して金の無心なんて恥ずかしいことしてないで、真面目に働けって言うんだよ。

多分正論なのは俺の方。なのに、セイは馬鹿にしたように笑った。


「その顔と身体で稼ぐんだよ。俺じゃ年齢でアウト」

あー…そういう仕事か。

「……忙しいんで」

セイの紹介なんて、普通のモデルとかじゃなくて、

「金持ちのマダムと気持ちいことするだけで大金だぜ?」

だろうな。絶対 ”売り” 系の仕事だと思った。

「……興味ない」

相手が女なだけマシだけど。そういう仕事をするつもりはない。

ふーん…と言ったくせに納得いかない顔のセイ。

そんなセイの、

「お前が大金稼げば友梨が助かるのにな」

その言葉に、俺は何も言い返せなかった。


「興味湧いたら連絡して」

満足げに笑って、セイは俺の手の中に携帯番号を書いた紙を押し込んだ。

”お前が大金稼げば友梨が助かるのにな”

その言葉が頭から離れない。

だけど、

───…うさこが見ていないところでは他の女は抱かない…───

そう、約束したんだ……。渡された紙を拳で握り潰す。


俺とうさこが付き合い始めて3週間。

飽きるどころか、どんどんハマっていく。

本当に面白い女だ。

愛想笑いばかりの毎日だったのに、最近では当たり前に心から笑っているんだから。


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