
非恋愛体質
第5章 見極める力
「春ちゃん、家どこ?」
「うちは最寄り駅は中目黒なんですけど…」
「マジで?うちも中目黒なんだよね。じゃあ送ってくよ。」
「えっ、でも駅から結構離れてるので大丈夫です。」
「どれくらい離れてるの?」
「徒歩15分くらいですかね…ゆっくり歩くと20分とか…」
「いいよ、送ってく!暗いし、女の子1人で歩かせらんないよ。」
「いや、でも…」
「ほら、電車くるから乗るよ!」
そうして電車に押し込まれる。
金曜日の夜ということもあり、電車は満員でギュウギュウ。
苦し…
人とドアに挟まれ押し潰されそうになると、急に圧迫感が減る。
上を見上げると蓮さんが間に入り、潰されないように隙間を作ってくれている。
「ありがとうございます。」
「どういたしまして。」
目の前には広い胸、髪にかかる蓮さんの吐息。
蓮さんのことを見つめるのが恥ずかしくて下を向く。
そして駅に着き、一緒に降りる。
