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百鬼夜行左藤家黙示録

第5章 左藤家侵入阻止


「テレビこの部屋じゃね?」

そして私は思い出した
このふすまに穴の開いている部屋は
義男の部屋である

「ガガッ」

古い嫌な音でふすまがひらくと
とんでもない景色が飛び込んでくる

「えっ何この部屋!?」

私たちはいたずらに
パンドラの箱を開けてしまったようだ

300本はあるジンロの空き瓶
散らばっている缶詰やおつまみのゴミ
確実に聞こえる何かが蠢く音
探していたテレビの液晶には
ドライバーが突き刺さっている

「やっやばい感じだろこれは
帰るか…」

「急がないとあいつ
義男呼んでくるぞ!」

「そうか!とにかく
荷物まとめて行くぞ!急げっ!」

動物としての本能か
いろいろな意味で
住む世界が違うという事を
わかってもらえたようだ

私は義男がこないのを知っているので
皆を先に帰らせ
義明に現状報告する為
残って待つことにした

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